よくあるご質問
矯正治療を行うメリットは?
矯正治療は審美性を改善する治療として認識されていますが、当院では、機能(噛む、食べる)を改善・回復することも重要な目的として捉えています。
矯正治療は、歯並びだけでなく噛み合わせを改善する
美容的な観点だけでなく、お口の機能の問題点を改善する治療でもあります。噛み合わせは、美味しく食べるためだけでなく、お口周辺にある顎関節や首、肩、腰などの健康と密接な関わりが解っています。
噛み合わせの問題に付随して、いびつで無理がある顎の運動や筋肉の働きをしていると、顎関節症や肩凝り、姿勢の歪みが生じる危険性が高まります。
虫歯があります。一緒に治療できますか?
まず、虫歯治療を行う必要があるので一般歯科医院をご紹介します。また、歯の移動に伴って隠れていた虫歯が見つかることがあります。この場合は矯正治療中でも虫歯治療を依頼します。
当院は矯正専門の歯科医院であるため、虫歯治療は行っていません。患者さんのかかりつけの歯科医院、あるいは当院が信頼できる歯科医院をご紹介して先に治療していただきます。抜歯に関しても同様です。
当院で虫歯治療を行わない理由は、日々虫歯治療を行っている歯科医にお願いする方が、患者さんにとってメリットが大きいと考えているからです。同じ歯科医でも専門性に違いがあります。治療内容によって、その道のプロにお願いすることが最善の治療法だと思います。内科の医師が心臓外科手術を行わないことと同じだとイメージしていただければわかりやすいと思います。
矯正治療では抜歯が必要だと聞いたのですが…
治療上必要があれば抜くことはあります。
できる限り歯を抜きたくないのは、矯正を専門とする歯科医師も患者さんも気持ちは同じです。顎と歯の大きさのバランスが悪い場合は顎の大きさを横に拡げ、歯を後ろに動かして隙間を作れる場合は歯を抜かず治療します。しかし、隙間を作ることが困難な場合や、口元が前に出ているのを改善したい場合は抜歯が必要です。
治療期間と通院間隔はどれくらいですか?
治療の難易度、歯の動き方の個人差によりますが、通常の治療方法で平均1半年~2年半が一般的です。通院ペース1ヶ月に1回が平均的です。
治療中に引っ越した場合は、どうすればいいですか?
当院への通院が不可能な地域への引っ越しでしたら、引っ越し先近隣の矯正歯科医院へ継続治療の依頼をしています。
治療中の痛みはどの程度ですか?
歯が動く時に歯根の周囲で骨の改造現象が起き、それが痛みの原因になります。虫歯の痛みと違った歯が浮くような感じがする場合や、物を噛むときに鈍い痛みを覚えることがあります。痛みは数日で消退します。痛みの感じ方は個人差があります。
装置が壊れたらどうすればいいですか?
修理しますので、なるべく早くご連絡ください。矯正装置は入れ歯と異なり治療期間中だけ効果を発揮して、治療後に外す器具です。そのため、強固に歯に固定できないので治療中に外れたり壊れてしまうことがあることをご理解ください。次回のお約束日でも大丈夫な場合と、至急修理する必要がある場合があります。
矯正装置を着けたら、食べ物の制限はありますか?
歯の一つ一つにブラケットを着ける治療の場合、硬いお煎餅や飴、氷などを噛むと壊れてしまうことがあります。装置に食べ物が当たらないように噛めるようになってきますが、治療を始めた頃は控えた方が無難です。
しかし、ある程度治療が進めば制限はほとんどありません。当院の患者さんは何でも食べていらっしゃいます。
矯正装置を着けたままスポーツや楽器の演奏はできますか?
できますが、注意が必要な場合があります。トランペットのように唇にマウスピースを押しつけるタイプの楽器は、表側に矯正装置が着いていると痛いことがあります。
スポーツでは格闘技は注意を要します。治療前にご相談ください。
矯正治療中の歯磨きは大変ですか?
歯に何も着けない状態と比較すると歯磨きは大変になります。矯正装置を着けることで口の中の細菌が増えたり磨きにくくなるため、虫歯や歯周病などお口の中の病気にかかりやすくなります。上手に歯磨きを行えるよう丁寧にご指導します。
治療後、元に戻ったりしませんか?
全ての患者さんで矯正装置を外した後に保定を行う必要があります。装置を外した後の歯は元の位置に戻ろうとするので、きちんと保定を行わないと歯が動き出します。
保定装置(リテーナー)という後戻りを防止する取り外し可能な装置を用います。この装置をきちんと使用することも矯正治療の大切な一部分です。歯の位置が安定してくれば徐々に使用時間を短縮し、装着の間隔を空けていきます。
保定装置を最低でも2~3年使い続けることで、その後の正しい歯並びと噛み合わせを長く維持できます。また、定期的な診察を受けることも大切です。
矯正の治療費も医療費控除の対象になりますか?
子どもの治療:認められます。
大人の治療:矯正治療を行う目的が噛み合わせや咀嚼障害の改善である場合はほとんど認められます。
担当医に診断書を作成してもらい提出すると良いでしょう。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用
- 治療開始当初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間より延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正歯科治療には患者さんの努力・協力が必要不可欠です。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置の装着により歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
- 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯を削ることで歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外した後、治療により変化した噛み合わせに合わせてかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずの萌出などの影響で凸凹が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる場合があります。
- 前歯を後退させた治療後に、ほうれい線が深くなったり、口唇周囲の皺が目立つようになる可能性があります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。