大人の矯正について
矯正治療に年齢制限はありますか?
矯正治療は、条件さえ整えば何歳からでも治療を始められます。大人になってしまったからもう遅いということはありません。
生涯ご自分の歯で過ごし、年齢を重ねたのちにも生活の質を高めるために、比較的治療に取り組みやすい20~30代の若い時期から将来を見越した予防管理や矯正治療が重要になってくると思います。
矯正はしたいけど、なるべく歯を抜きたくないのですが。
当院では、患者さんの症状に合わせてあらゆる選択肢の中から、できるだけ歯を抜かずに済む矯正治療を心がけています。
しかし、患者さんの中には抜歯をせざるを得ない、もしくは抜歯をする方が将来的にメリットが多い方がいらっしゃいます。歯を抜きたくない気持ちは歯科医師も同じですが、やむを得ない場合は抜歯することで得られるメリット、また抜歯しない場合のデメリットなど、しっかり話し合って治療方針を決めます。
矯正治療中に妊娠しても大丈夫ですか?
大丈夫です。つわりが激しい時期など長時間の診療や通院が難しくても、矯正治療自体が問題になることはありません。しかし、レントゲン写真を撮ることはできるだけ避けた方が安心です。当院では、デジタルレントゲンを導入しており、従来のレントゲンに比べてX線量が10分の1程度で済みますので通常は問題はありませんが、妊娠の可能性がある場合は必ずお申し出ください。
目立たない矯正器具はありますか?
歯の色に近い矯正装置や透明な矯正装置なら、あまり目立ちません。
ブリッジや差し歯があります。矯正治療はできますか?
問題なく矯正治療を行えます。
ただし、天然歯(治療をしていない歯)と比べて接着剤が着きにくいため、治療途中に矯正装置が外れてしまう可能性があります。外れたときは再度接着剤で着け治せば問題ありません。
ブリッジは、治療前にダミーの部分を切除して1つ1つの歯毎に切り離すことがあります。
外科手術が必要な矯正があると聞いたのですが…
外科的矯正治療は、手術で顎の位置や形を変えます。ですから、受け口の方の場合は歯並びはもちろん、下顎が出たり上顎が引っ込んだお顔の感じが改善されます。手術を行わない矯正治療だけでも受け口は治せますが、お顔全体の印象は変わりません。
もし、お顔の印象が最も気になっていて治したいのであれば、手術をすべきということになります。受け口でよく食べ物が噛めないのであれば矯正だけで良いかもしれません。当院では、保険適用の外科的矯正治療を施術していますので、ご相談ください。
しばらく通院できなくても大丈夫ですか?
矯正治療は長期間かかりますから、その間に都合によりしばらく通院できなくなることがあります。例えば出産や怪我のための入院や、留学や受験で忙しいなどの場合です。矯正装置が壊れて痛くならない限りは問題ありません。また、一旦装置を外して再度装着する場合もあります。
しかし、その間は治療の進行がストップします。また、う蝕や炎症を起こさないようブラッシングを丁寧に行う必要があります。もし、矯正装置が壊れてしまったときは何らかの応急処置が必要になるかもしれません。その際はご連絡ください。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用
- 治療開始当初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間より延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正歯科治療には患者さんの努力・協力が必要不可欠です。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置の装着により歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
- 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯を削ることで歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外した後、治療により変化した噛み合わせに合わせてかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずの萌出などの影響で凸凹が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる場合があります。
- 前歯を後退させた治療後に、ほうれい線が深くなったり、口唇周囲の皺が目立つようになる可能性があります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。